こんにちはメッシーです!少し大きなダムに行くと高確率でそのダムに関する資料館が
あります。こんなもの小学生の課外学習くらいでしか見る事は無いと思っていたのですが、
大人になったメッシー少年は資料館の展示に真剣に見入ってしまいます。
歴史好きな事もありますが、そこで目を惹かれるのは資料館に展示されているダム建造時
までの年表や建築中の様子です。
という事で、今回はダムの作り方についてお話しさせて頂こうと思います。
ダムが生まれるまで
洪水や干害、電力不足など生活をより安全に、豊かにするため人類は川にダムを
建設しました。ダムには膨大な費用や時間がかかるため、ほとんどの場合行政(昔は幕府?)
が主導でダムの建造が行われてきました。
誰が何の目的で作ったかは色々あると思いますが、何らかの必要性に迫られてダムの
建造が決まったと仮定してダムが完成するまでの工程をご紹介いたします。
尚、今回はメジャーなコンクリートダムを例としています。
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調査
ダムの建設が決まるとまず調査を行います。大きく以下2つです。
予備調査
まず、どの程度のダムが適しているか把握するため、設置する川の水量を調べます。
そして、過去の洪水や干害、下流域の水需要を調査して、ダムに対してどのような
ニーズがあるのかを把握します。(電力目的の場合は要求される発電量もお忘れなく)
現地調査
ある程度ダムの建設予定候補地が決まったら、地質・水質・生態系などを調査して
建設予定地が妥当であるかを判断します。地質調査ではある程度掘削などを行い
周囲の岩盤の状況を調べ、その結果を元に重力式コンクリートダムが良いのか?
アーチ式が良いのか?ロックフィルが良いのか?などダムの形状を決めていきます。
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説明会&土地の買収
ダムは水を貯めるので、湖の底に沈んでしまう民家や村が出てきます。
当然、勝手に水を貯めて村を沈める訳にはいきませんので住民へ説明会を行い土地を
買収します。ニュースでも良く見かけますが、生まれ育った自分の村を湖に沈めないよう
住民運動も起こり、何十年も建築が凍結になったり計画が白紙に戻ったりするケースも
よくあるようです。
夏場に水不足が起こりテレビで水没前の神社が干上がった際、それを見た地元の
おばあちゃんの表情が何とも切なくて忘れられません・・
まぁ僕はダムが好きですけどね。
道路の整備
必要な土地の買収まで完了すると、建築の準備です。
ダムは人里離れた山奥に作られる事も多いのでダンプカーが通れるような道路を
まず作る必要があります。(戦争でいうと生命線である補給路を作るですね)
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また、池に沈む村や道路がある場合はそれを補う道路を作る必要もあります。
設置場所により難易度はさまざまですが、昔はこの工程で約200人の死者が出た
例もありますので、単に道路の整備といっても簡単ではありません。
転流工事
ダムは川の上に作られますが、水が流れている川の中にコンクリートを流しても、
当然ダムはつくれません。液体のコンクリートが流されてしまいますね。
という事でダム建設予定地に水が流れないよう、既存の流れをせき止めて
水を迂回させるためのトンネルを作ります。
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建設用設備の整備
ダムの設置環境周辺がよほど恵まれてない場合を除き、実は資材は現地調達される場合が
多いようです。理由はダムの建造にトラック何千台分ものコンクリートや石材が必要に
なるから。
意外なのは、石材を現地調達するのは何となく想像できますが、現代の大規模なダムでは
コンクリートを製造するプラントまでダム建設予定地に併設する事があるそうです。
この工程ではコンクリートや石材を運ぶケーブル(ロープーウェイ)やクレーンも作ります。
基礎工事
ここまでの長い道のりを経て、いよいよダム本体の建築が開始されます。
まず、ダムを設置する周囲をとにかく削り岩盤を剥き出しにします。ちょっとでも亀裂や
粘土層が出たらアウトです。岩盤が剥き出しになったら、今度はダムの底となる部分に
ボーリングで深い穴を開けて、そこにコンクリートを流し込みます。
また、ダムの底となる部分にも分厚いコンクリートを流し込み、基礎を作っていきます。
(ダムの形状により基礎工事の内容は異なります)
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コンクリート運搬・打設
基礎が固まったら、ひたすらケーブルでコンクリートを流し込み、固めます。
一気に流せないので何層も何層も流しては固め・・流しては固め・・気が遠くなります。
あ。ロックフィルの場合はひたすら岩を積み上げる作業になりますね。
ダム設備設置
ある程度ダムの堤体ができてきたら、ダムの放流設備としてゲートを設置したり取水設備や
魚道などの付帯設備を作っていきます。おまけみたいになっていますが、ゲートを作る
にしても数十メートルの鉄の支柱や、何十トンもの鉄の壁を運ぶ必要があるので、
これも大変です・・
試験湛水
ダム設備が設置されたら、ダムの堤体は完成!
ただ・・いきなり稼働させるとダムに問題があった時に決壊したり洒落にならない事態が
発生するので、まずは試験を行います。
具体的にはダムに水を流して、最低水位まで水を貯めて放流します。
「結構簡単でしょ?」と言いたいところですが、ダムが最低水位まで水を貯めるのに
半年から、大規模なダムでは数年かかる事もあるそうです。
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その他、副ダム(下流に小さなだむ)を作って川がえぐれないようにしたり、
ダム管理事務所を作ったりいろいろな設備を建築する必要があるそうです・・
ここまで技術が発展するのに、歴史があるんでしょうねぇ。
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